
旅するデュオhuenica(フエニカ)のオルタナティヴな音楽とライフスタイル
huenica(フエニカ)に出会ったのは2013年4月。Charisma.comへのコメントを頼まれ、「ライヴ見とかなきゃ」と思って足を運んだイベントでトリを務めたふたりの音楽にブッ飛んだ。榎本聖貴(ギター)と伊藤サチコ(キーボードほか)がハモる幻想的な物語が、アコースティック楽器の音色とあいまって築き上げた唯一無二の世界。商業的でない動機で磨き上げられた、どこまでも純粋な音楽だと思った。それから3年。1年の半分はツアーしているというふたりの旅先での出会いから生まれた2年ぶりの2ndアルバム『田の人と旅の人』は、傑作『あざやかなとうめい』とはまた違った手触りを持つ素晴らしい作品だ。アルバム完成直後のふたりのナマの声をお届けしよう。 ●世の中にはまだないけど、ふたりの頭の中にあった音楽 ──初めて見たのは2013年の4月なんですけど、結成はその前年なんですね。 伊藤 当時はまだhuenicaでやり始めたばっかりで、実演で再現するのに必死だったころですね。 榎本 曲を作りながらやってた時期です。 ──後から調べたらおふたりとも別々にキャリアがあって「